DESIGN COLUMN

デザイナーとの
ビジネスマッチングって?

第17回
デザイン導入、デザイナー活用における4つの企業パターンとは?

前回のコラムは、「失敗しないデザイン事務所の選び方。デザイン事務所を選ぶ際の5つのポイントとは?」でした。
今回は、「デザイン導入、デザイナー活用における4つの企業パターン」についてお話しします。

当センターでは、さまざまな企業のデザイン相談を受けます。
多くが中小企業さんで、サービス業や創業希望者からもありますが、
モノづくりや食品などメーカーさんからの商品企画・製品開発・プロモーションに関わるものが主です。

そこで、相談内容に合わせて、デザイナーさんをご紹介するなど、
マッチングに向けたサポートをしているのですが、
すべてのいろんな中小企業に対して、当センターやデザイナーさんが応えられるのか?
というと、決して、そんな訳ではなくて・・・
その企業のデザイン活用レベルにより変わってきます。


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このピラミッド図ですが、
中小企業さんのデザインへの認識、実際の取組みはさまざまな訳ですが、大きく4つに分類しています。
上へ行くほど、デザインの重要性・価値を理解されていますが、そのような企業さんはまだまだ数が少ないことを表しています。

いちばん上の「すでにデザイン」
この層は既に上手くデザイナーと取り組まれていて(場合によっては自社デザイナーもいて)、
「戦略」レベルで取り組まれている会社。
社内に企画・広報などデザイン対応の担当者もいて、
ブランドを大切にされている、デザイン経営を実践されている企業群です。
新規事業や販路拡大といったニーズのある所です。

2番目の「いまデザイン」
この層はデザイン「活用」ということで、当センターに相談に来られる主な企業。
マーケットの動向が変わる中で、新しいテイストのデザインを求められます。
この層の企業さんからの相談で、「デザイナーを紹介してほしい」ということであれば、
デザインに取り組まれている実績(経験値や予算観)もお持ちなので、ビジネスマッチングに繋がりやすいです。

3番目の「これからデザイン」
この層はデザイン「導入」。身近なデザインの課題を持っていて、なんとかしたいという所。
デザインをオペレーションレベルで導入されている所、とりあえず自前でやられている所もありますが、
なんとか、ここの層を上の層に持っていくことが重要だと思っています。

そのためにもデザインセミナーなどにもお越しいただき、
デザインが「よく見せること」ではなく「よくすること」、
つまり、デザインを事業の中で活用、戦略的に取り組んでこそ、
売上げやブランディングに繋がるという点を少しでも認識していただけるようアドバイスしています。

いちばん下の「まったくデザイン」
これまでデザイン活用や導入を考えたことがない所。
この層にはより関心を持ってもらえるよう「理解」いただきたく思います。
が、「デザインはうちには関係ない」「わからんし・・・」ということで、
デザインマインドを持たれていない・・・?
でも、実は「社長、車や時計をどうやって選んでいますか?価格だけじゃないでしょ?」っていうのと同じ話で、
「デザインわからん」というよりも、デザインを仕事に活かすこと、デザインビジネスにあまり関心がないという感じ。
実は良い技術や素材を持ちながらも、もったいない会社もあります。

経営者の認識は、デザインは色・カタチといったところで、事業戦略においてデザインを基本的に必要としていない。
本当は市場で一番評価の高い他社製品と、自社のモノや情報を比べてほしいし、
どっちを買うか、どっちが信頼性高いかなど、ユーザー目線で自問・追求してほしいですけども。

一方、デザイン以外の重要な課題を日々抱え、他に優先すべきことがあって・・・
売上減少、資金調達、新規販路開拓、人材獲得や事業承継など、
そういう課題と日々向き合っているのだと思います。その辺の課題とデザインがリンクしていない。
ただ、2代目・3代目の経営者になってくると、
情報発信やブランドの力を認識されているケースもあり、
魅力的な会社にするために新たにデザインを上手く活用しようとする気持ちを持たれている所もあります。

例えば、企業イメージや働く環境を良くして、いい人材を採りたいというような視点です。
印刷費の中にデザイン費も含まれているような、デザインをサービスのように捉えるのではなく、
デザインという価値に対して、「費用」ではなくそこへきちんと「投資」する・・・
そういうデザインマインドを持ってもらえるように企業さんをサポートできればと思っております!

 

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